「ありがとうございまっス!」
お父様のお墨付きで合格しやがったこのヤロウ! しかも、よろしくーとか言いながら咲さんとハイタッチしやがって! 羨ましすぎるだろうが!! この裏切り者!!
「芳助君はキッチンできそう? 料理はどれくらいできるのかな?」
「はい。俺は料理好きですし、このメニューにあるものなら全部作れます」
「ほう、それは素晴らしい! じゃあ、一応腕前を拝見させてもらおうかな」
ふふんっ。望むところだ。ここで美味いもの作って、必ず咲さんと一緒に働くぞ! 三年間、いや、一年も働いていれば俺と咲さんはかなり仲良くなって、一緒に映画行ったり公園でバドミントンする間柄になって、俺の作った料理を運びに来た咲さんと目が合っていい雰囲気になったり、俺が料理を教えるようなことがあれば甘酸っぱい青春が待っているし、仕事を頑張れば頑張るほど俺の株が上がってお父様とお母様から是非咲さんを嫁に貰ってくれとか言われたりして、そうなれば行く行くは俺と咲さんの夫婦二人三脚営業店が出来上がって――
「そうだなぁ。まずは、卵かけご飯を作ってみて」
「……へぇ?」
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