天安門事件から25年という節目にあたり、英フィナンシャル・タイムズ紙で、中国系アメリカ人学者のミンシン・ペイ氏が、「中国共産党が25年間生き残れた4つの理由」を挙げていました。共産党は社会的に影響力のある知識人や起業家たちに対し、政治的に重要なポストを与えてきました。すると彼らは、表立った体制批判ができなくなるわけです。
ただ、これが通用するのも今後2、3年先までだとぼくは考えます。もはや10%以上の経済成長は見込めず、日本など近隣諸国と軋轢を持ち続けることで共産党を正当化するのも無理がある。だからこそ、習近平国家主席は「政治改革」に向けて舵を切らなければならないと考えられるのです。
では、政治改革へ向かうプロセスのなかで、何が必要か。ひとつの解が「天安門事件という“負の歴史”の清算」です。権力基盤の弱いリーダーにはとても無理な話ですが、習近平という強いリーダーなら、その方向に舵を切るのも不可能ではない。天安門事件とはなんだったのか――そうした公開議論を政治的に許可するのが第一歩になるでしょう。
PR