根菜をストックヤードに置き、それ以外の食材の内、使わないものを冷蔵庫に収納し、使うものから先にどんどんと洗ったり切ったり分けたりと、仕込みをしていく。シャワーも遠慮がちに進めたのか、レイジはかなり短い時間で出てきた。そこで彼女は、料理の段取りをどうするか、少し考える。今日はキーマカレ―の予定なので食材を細かくすれば調理自体にさほど時間はかからない。
ただ、単純に出来上がりまで彼を待たせるのであれば、やはりその間に何かを手伝ってもらうという判断もあるだろう。だが、昼間の少しの手伝いだけでは彼に調理をどこまで任せられるのか、その見当が彼女にはつかなかった。片づけだけならば、彼一人でも問題が無いことは解っているのだが。
入る前もそうだったが、出てきてからも律儀に礼を言う。米を研ぎ終わったところで、料理の途中ではあったものの彼女も先にシャワーを浴びることにした。浴槽に浸からず短時間で出れば、夕食への影響は最低限で進められるだろう。彼の嫌味に、顰め面を投げ返す。
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